ワクチンの副反応

  • ワクチン接種後の発熱や頭痛、接種部位の痛み、倦怠感、吐き気などの軽い副反応は数日以内に治るといわれています。
  • 医療機関での処置が必要な重い副反応として、アナフィラキシーや心筋炎・心膜炎が話題になっていますが、発症は極めてまれです。さらに、発症した場合に備えて医療機関がしっかりと準備を整えています。

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軽い副反応の発症率と持続期間

ワクチンを接種すると、副反応と呼ばれる反応が頻繁に現れるとされています。治験段階における症状と発症割合は以下のとおりとなっています。

出典 コミナティ添付文書、COVID-19ワクチンモデルナ添付文書

また、副反応は一般的に数日以内に治るとされています。先行的にファイザー社ワクチンの接種を受けた約2万人の医療従事者を対象に、接種後一定期間(約1か月)に起こった症状・疾病を調査した「新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)」によると、発熱は接種3日後、接種部位の痛みは接種4日後にほぼ軽快していたと報告されています。

実際に副反応が現れた時について

ワクチン接種後の発熱や痛みに対して市販の解熱鎮痛剤で対応することは可能です。熱が出た場合は水を十分に飲み、必要な場合に解熱鎮痛剤を服用して様子を見てください。

しかし、他のお薬を飲んでいる場合や病気治療中の場合は飲めるお薬が限られていることがあります。ほかにもお薬などでアレルギー症状やぜんそくを起こしたことがあれば、事前に普段受診しているクリニックや薬剤師にご相談をお願いします。

また、激しい痛みや高熱など、症状が重い場合や、症状が長く続いている場合、ワクチン接種後の副反応としては見られない味覚・嗅覚の消失などが現れた場合は、新型コロナ感染の可能性もあります。その場合はお近くの診療・検査医療機関にご相談をお願いします(埼玉県は、発熱患者等を診察し、必要な検査を実施できる診療・検査医療機関を県HPに公表しています)。

重い副反応等の実態

ここでは、「重い副反応」を、医療機関による処置が必要な副反応としています。例えばアナフィラキシー、心筋炎・心膜炎が挙げられますが、実際にどのような症状なのか解説します。

アナフィラキシーは、ワクチンだけでなく薬や食べ物、虫刺され等のアレルギー反応により発症します。じんましんや咳、吐き気、血圧低下などの症状があります。


出典 令和3年8月25日 第67回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、
  令和3年度第16回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会
  (合同開催)資料1-6-1

アナフィラキシーが疑われる症状は上記のとおり報告されています。また、ブライトン分類(※)に基づき専門家によりアナフィラキシーと評価された件数の場合、ファイザー社では100万回接種あたり4件、武田/モデルナ社では100万回接種あたり0.7件となっています。

※ ブライトン分類:症状や血圧や脈拍数などのバイタルサインからその重症度を分類する世界共通の基準です。レベル1~5まで分かれており、1~3がアナフィラキシーとされています。

不安に思われるかもしれませんが、アナフィラキシーはアドレナリンという薬をすぐに筋肉注射するという確立した治療があります。また、以前に別のものでアレルギーを起こしたことがある人は注意が必要なため、予診の際に医師へ伝え、接種後30分待機してもらうなどの対応を行っています。

心筋炎又は心膜炎はファイザーやモデルナのワクチンでごく稀に、主に若い男性で症例の報告があります。報告件数は下記のとおりです。


   出典 令和3年8月25日 第67回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、
   令和3年度第16回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)
   資料1-6-1

なお、心筋炎又は心膜炎は新型コロナウイルス感染症の合併症として発症することがあり、COVID-19 Registry JAPAN(※)に基づく解析として、新型コロナウイルス感染症の入院患者においては男性で21,950人のうち23件、女性で16,482人のうち10件の心筋炎関連事象の報告がありました。

※ COVID-19 Registry JAPAN:日本全国の医療機関に入院されたCOVID-19患者さんの情報を収集し、病気の特徴や経過などの様々な点について明らかにすることを目的とするCOVID-19レジストリの研究について情報公開しているサイトです。

ワクチン接種と死亡の関係

ワクチン接種後の死亡と、ワクチン接種による死亡は意味合いが異なります。人である以上、ワクチン接種以外の理由により突然命を落とすことがあります。見分けるためには、ワクチンと死亡との間に因果関係があるかが重要となります。

因果関係の評価はワクチン接種後に起こり得る当該病気に対する発症率への寄与度を検証して行っています。現在のところ、こうした統計的な評価が世界中で行われており、この評価も含めて、現時点ではmRNAワクチンの接種と疾患による死亡との因果関係については、統計的に認められた疾患はないとされています。

メリットとデメリットを踏まえたワクチン接種

ワクチン接種のメリットと、接種に伴い起こるかもしれない副反応というデメリットを確認し、両方をしっかりと比較したうえで、ワクチンの接種について判断してください。

参考資料

・新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)

https://www.juntendo.ac.jp/jcrtc/about/results-of-activity/COVID19/covidresearch.html